No.125 (中国の分割と義和団事件) :
「POWERS(列強)による『面の』中国支配とはどのようなものか?」
日清戦争に敗北してから清朝はdying lionと見なされるようになり,列強は積極
的に中国に進出した。独は山東省を,露は「満州」(中国東北部)を,英は長江
流域を,仏は広東・広西・雲南省を,日は福建省を勢力圏とした。これに対して
米は,ジョン=ヘイによる門戸開放宣言で「門戸開放」・「機会均等」・「領土
保全」を他の列強へ提唱した。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
清は日本との戦争に敗れることにより,それまで「眠れる獅子」と見られていた
のが,「瀕死の獅子」として軽んじられるようになったことに,大きな関心を持
って学習に臨んでいる。
思考・判断:
中国東北部はロシア領沿海州と結びつき,広東・広西・雲南省はフランス領イン
ドシナと結びつくことから,前者がロシアの,後者がフランスの中国支配の中心
になったことについて,的確に判断している。
資料活用の技能・表現:
中国本部の地図上に,日清戦争後の列強それぞれの勢力圏を示すことで,「瀕死
の獅子」状態の清を実感している。
知識・理解:
日清戦争で新興国の日本に敗北したことにより,列強の中国支配は,それまでの
拠点支配から領域支配に変化したことと,その勢力分布について基本的な知識を
身につけている。